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外壁塗装の4回塗りは悪徳業者の思うツボ?

外壁塗装の4回塗りは悪徳業者の思うツボ?

外壁塗装は、基本的に3回塗り。
ですが、ここ最近は4回塗りを謳う施工店が増えているようです。
見積りを依頼したら、「弊社は他社と違い、4回塗りをするので安心ですよ!」などと、提案された方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、外壁塗装は、塗り回数を増やせば良いというわけではありません。
このページでは、外壁塗装の4回塗りについてご紹介いたします。

外壁塗装の4回塗りは本当に良いもの?

外壁塗装の様子

塗装を施すと、外壁は塗料の薄い膜で覆われます。
この薄い膜を、『塗膜』と言います。

塗膜は、紫外線や雨風、ホコリなどの自然環境によるダメージから外壁を守ってくれます。
塗膜があることで、外壁材は直接ダメージを受けなくなり、建物の寿命を伸ばすことができます。
この塗膜を作るために、外壁塗装では下塗り、中塗り、上塗りと塗料を3回塗り重ねるのが基本です。

ですが、中には4回塗りや5回塗りと、塗装回数を増やした提案をする施工店があります。
塗り回数を増やすと、以下のことが発生します。

使用する塗料の量が増える

塗り回数を増やすということは、増やした回数分だけ使用塗料の量も増やさなくてはなりません。
つまり、塗り回数に比例して材料費も上がり、結果的に全体的な施工費用が高くなります。

「費用が高くついても、塗膜が厚くなって、家がより長持ちするんだから良いのでは?」
と考える方もいるかもしれません。
しかし、それは大きな間違いです。
塗膜の厚塗りに関して、詳しくは後で解説しますが、4回塗りや5回塗りを行っても、塗膜は強くなるどころか悪影響があります。

実際にあった悪徳業者のお話

「塗装は塗れば塗るだけ、強い外壁を作ります」
と嘘の説明を受け、何も知らないお客様はその話を信じて、4回塗りで施工を依頼しました。
しかし、実際は、増やした回数分の費用は受け取った上で、3回塗りで塗装施工を終わらせていました。
このような手抜き工事や不正な行為を行っても、施主様には何回塗ったのか全くわかりません。
ましてや、通常通り3回塗っていれば 、何も不具合は起きないわけです。
この例は、ご家族が毎日の作業内容をメモに取っていたことと、工期が思っていたより短かったのを不審に思って発覚した事例でした。

工程が増えるため、人工(にんく)が増え、人件費が増加する

外壁塗装費用の内訳には、材料費の他にも施工手間賃として職人の人件費も含まれています。
通常は3回塗りのところを4回塗りにした場合、1工程増えるので、工程に比例した職人が必要になります。

例えば、1日2人の職人が現場に入っていて、1人あたりの人件費が3万円だとしたら、1日にかかる人件費は6万円です。
1工程終えるまでに2日かかるとすれば、4回塗りの場合、人件費は12万円増加します。
さらに、4回塗りではなく5回塗りとなれば、もっと多くの人件費が必要となります。

回数が増えた分、工期が遅れる

外壁塗装というのは、1回塗るごとに乾くまで次の塗装をしてはいけません。
塗膜を重ねて層を作っていくため、塗装後は1回1回乾かす必要があります。
通常3回塗りの外壁塗装を4回塗りで行うと、塗料を乾燥させる時間が1回分増え、工期も伸びます。

塗り回数を増やした分、長くなるはずの工期が通常の3回塗りと同じだった場合も、注意が必要です。
追加した塗装回数分の塗装時間や乾燥時間を考えずに見積もったスケジュールの可能性があります。

4回塗りによる塗膜への影響

ひび割れた塗膜

「4回塗りで塗膜を厚くする」と聞くと、一見強力な塗膜になりそうだな、と錯覚します。
が、化粧でも厚くすると割れやすい(ひびが入りやすい)のと一緒で、実は塗膜も無理をするとひび割れやすくなります。
化粧を肌に多く塗り重ねても、化粧のノリが変わらないのと一緒で、塗膜を厚く塗っても耐久性などの塗料の効果は変わりません!
つまり、4回塗りの外壁塗装は「高価になる」というデメリットしかないのです。

塗料メーカーは、塗料を開発することを目的として、それぞれに特化している専門家が集まっています。
何万通りと実験をした上で、標準仕様書を出しています。
塗装を行う施工店が知っていて、塗料のプロフェッショナル集団が知らない裏テクニックなどあるでしょうか。
答えはもちろん、Noです。

外壁塗装施工では、塗料メーカーの出した標準仕様書通りに塗料の量を適正値で塗ることが、耐久年数に大きく関わります。
悪徳業者のイメージ戦略に踊らされないよう、気をつけましょう。